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目の奥が痛い

目の奥が痛くなる病気

目の奥が痛くなる病気
目の奥に痛みを感じる場合、その原因としてさまざまな疾患が考えられます。以下に、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、急性緑内障発作など、目の奥の痛みを引き起こす代表的な疾患について詳しく説明します。

片頭痛

片頭痛は、典型的には頭の片側に脈打つようなズキズキとした痛みが生じる頭痛です。中等度から重度の痛みが特徴で、動作によって悪化することが多いです。痛みの持続時間は4〜72時間にわたり、頭痛が発生する前に視野にギザギザした光がちらつく「閃輝暗点」という前兆が現れることがあります。片頭痛発作時には、吐き気や嘔吐、光や音、臭いに対する過敏症状が見られ、静かな暗所での休息が必要となります。

片頭痛のメカニズムとしては、現在「三叉神経血管説」と言う説が有力視されています。何らかの刺激により、脳の中の三叉神経終末からCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などの神経伝達物質が分泌され、それにより神経原性炎症が起こります。その結果として片頭痛が起こると考えられています。また、セロトニンという神経伝達物質のバランスが崩れることで、神経の過敏性が増し、痛みを感じやすくなります。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、頭全体が締め付けられるような痛みが特徴で、頭痛全体の約6割を占める最も一般的なタイプの頭痛です。痛みの強さは軽度から中等度で、肩こりや首のこりが主な原因とされますが、正確なメカニズムはまだ解明されていません。

緊張型頭痛の痛みは、肩や首の筋肉の緊張によって引き起こされます。長時間のデスクワークや姿勢の悪さによって筋肉の緊張を高め、血行不良を招きます。

群発頭痛

群発頭痛は、目の周囲に突然強い痛みが生じる頭痛で、発作的に繰り返されます。痛みは15分から3時間続き、一日に何度も発生することがあります。痛みの強さは非常に激しく、耐え難いものです。群発頭痛は、特定の季節に繰り返し発症することが多く、発症期間が終わると自然に治まりますが、毎年同じ時期に再発することがあります。
群発頭痛の正確な原因は不明ですが、三叉神経と自律神経の異常が関与しているとされています。痛みの部位は主に目の奥や額で、痛みの発作中には涙が出たり、鼻水が出たりする自律神経症状も伴います。

眼科疾患 (急性緑内障発作)

急性緑内障発作は、眼圧が急激に上昇することによって生じる病気です。これにより、目の痛みや頭痛、吐き気、視力低下などの症状が現れます。急性緑内障発作は、特に目の奥に激しい痛みを感じることが多く、放置すると視力を失う危険性があります。
急性緑内障発作の原因は、眼球内の房水(目の内部を循環する液体)の排出が妨げられることにあります。この結果、眼内圧が急上昇し、視神経が圧迫されて痛みが生じます。早期の診断と治療が視力を保護するために非常に重要です。

目の奥が痛い場合は すぐに受診を

目の奥の痛みを引き起こす疾患は、適切な診断と治療が不可欠です。症状が現れた場合は、早急に医療機関を受診し、専門的な検査を受けることが重要です。特に、脳卒中や髄膜炎などの重篤な疾患が原因である場合は、迅速な対応が必要です。

片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛は、頭痛専門医による診断と治療が効果的です。MRIやCTスキャンなどの画像検査を通じて、正確な診断と適切な治療法を選択することが求められます。

顔が痛くなる病気

顔の痛みはさまざまな疾患が原因で発生することがあり、それぞれの疾患によって痛みの性質や原因、治療法が異なります。以下に、顔の痛みを引き起こす代表的な疾患について、症状、特徴、メカニズムを説明します。

三叉神経痛(さんさしんけいつう)

三叉神経痛は、顔の片側に突然発生する鋭い痛みが特徴です。この痛みは通常、額、頬、顎、口腔内に集中し、刺すような激痛として感じられます。痛みの発作は短時間(数秒から数分)で、何度も繰り返されることがあります。痛みが強いため、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。例えば、食事、洗顔、歯磨き、髭剃りなどが困難になることがあります。

三叉神経痛の主な原因は、。主な原因は、三叉神経の近くにある血管が神経を圧迫することですが、腫瘍や多発性硬化症などの他の疾患によっても引き起こされることがあります。三叉神経痛は比較的稀な疾患で、特に50歳以降の女性に多く見られます。

脳卒中・髄膜炎・脳炎

脳卒中は、脳の血流が途絶える脳梗塞と、血管が破れる脳出血、そしてくも膜下出血に分けられます。症状としては急激な頭痛、手足の麻痺、言語障害、意識障害などがあります。髄膜炎と脳炎は脳や髄膜の炎症を引き起こし、激しい頭痛、発熱、吐き気、首の硬直などの症状を伴います。

脳梗塞や脳内出血の原因は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が多く、これらが動脈硬化を引き起こし、脳血管に障害をもたらします。髄膜炎と脳炎は、ウイルスや細菌の感染、がんや薬剤等が原因で発生します。脳の炎症が進行すると、神経症状が悪化することがあります。いずれの疾患も、経過次第では重大な後遺症を残すことや生命の危険を伴うことがあります。

副鼻腔炎、歯性上顎洞炎

副鼻腔炎は、鼻周辺の空洞(副鼻腔)に炎症が生じる病気で、鼻づまり、頭痛、頬や額の痛み、発熱などの症状を引き起こします。歯性上顎洞炎は、上の奥歯の炎症が上顎洞に波及することで発生し、顔の片側にズキズキとした痛みや腫れ、頭痛、鼻づまりなどが見られます。
副鼻腔炎は、細菌やウイルス、アレルギーが原因で鼻の粘膜が炎症を起こし、鼻水や膿が溜まることで発症します。歯性上顎洞炎は、虫歯や歯周病による炎症が上顎洞に広がることで発生します。これにより、顔の痛みや関連する症状が引き起こされます。

帯状疱疹

帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスによって引き起こされ、神経に沿って痛みを伴う発疹や水ぶくれが現れます。多くの場合、片側の体幹や顔に症状が現れ、特に目の周囲や顔に出ることがあります。痛みは刺すような鋭い痛みで、夜も眠れないほど激しいことがあります。皮膚症状が治まっても、帯状疱疹後神経痛として痛みが続くことがあります。

帯状疱疹の原因は、水ぼうそうのウイルスが体内の神経節に潜伏し、免疫力の低下などによって再活性化することです。このウイルスが神経を刺激し、痛みと皮膚症状を引き起こします。加齢やストレス、免疫力の低下が発症リスクを高めます。