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頭が重い・だるい、吐き気を伴う頭痛、締め付けられる頭痛

頭が重い、だるい症状が出る病気

頭が重い、だるい症状が出る病気
頭が重い感じやだるさが続く場合、仕事を休んだり、十分な睡眠をとっても改善しないことがあります。このような場合、身体に何らかの病気が潜んでいる可能性があります。頭が重い、だるい症状を引き起こす可能性のある代表的な病気は下記のとおりです。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、頭が重い感じや締め付けられるような痛みが特徴です。肩こりや首のこりが原因であることが多いですが、原因が明確に分からないこともあります。緊張型頭痛は、デスクワークやスマホの長時間使用など、姿勢の固定が要因となることが多いです。

脳卒中

脳卒中は、脳への血流が途絶える脳梗塞と、血管が破裂して出血を引き起こす脳出血に大別されます。特に動脈瘤が破裂するくも膜下出血は重症です。下記のような症状があります。

主な症状

  • 突然の手足の麻痺
  • 言葉が出なくなる
  • 呂律がまわらない
  • 頭痛
  • 意識障害

脳卒中は早期発見と治療が重要です。また、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)は脳卒中のリスクを高めます。検診などを積極的に受診し、しっかりとコントロールすることをお勧めします。

脳腫瘍

脳腫瘍は、頭の中にできる良性または悪性の腫瘍を指します。良性腫瘍はゆっくり成長しますが、発生部位によっては症状が出にくいことがあります。悪性腫瘍は急速に成長し、強い症状を引き起こします。下記のような症状がある場合にはMRIなどの検査が必要になります。

主な症状

  • 頭痛やめまい
  • 手足の麻痺
  • 言語障害、聴覚障害
  • 行動や言動の異常

早期発見が重要で、心配な症状がある場合は早めに検査を受けることをお勧めします。脳腫瘍が疑われる場合はMRIなどの画像検査が必要です。手術や放射線治療、化学療法が治療法として考えられます。

副鼻腔炎

副鼻腔炎は、細菌やウイルス、アレルギーが原因で鼻の周辺にある空洞(副鼻腔)に炎症が起こる病気です。

主な症状

  • 鼻づまりや鼻水
  • 頭痛、歯の痛み
  • 頬や額の痛み
  • 発熱

初期治療は抗生物質や抗炎症薬の内服ですが、改善が見られない場合は耳鼻科での処置が必要です。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの産生が低下する病気で、全身の新陳代謝が低下します。

主な症状

  • 無気力、疲労感
  • むくみ、寒がり
  • 体重増加、動作緩慢
  • 記憶力低下、便秘

血液検査で診断し、甲状腺ホルモンの内服薬で治療します。症状が改善しない場合は、内科を受診してください。

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まる病気で、低酸素状態により睡眠が浅くなります。

主な症状

  • 日中の強い眠気
  • 全身のだるさ(倦怠感)
  • 頭痛、頭重感
  • 大きないびき

無呼吸状態が頻繁に繰り返されるため、日中の眠気や疲労感が強くなります。診断と治療には、睡眠時無呼吸外来や呼吸器科外来への受診が必要です。

花粉症

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉によるアレルギー反応です。日本人の約4人に1人が花粉症にかかっていると言われています。

主な症状

  • くしゃみ、鼻水、鼻づまり
  • 頭痛、頭重感、倦怠感
  • 目のかゆみ、充血

抗アレルギー薬が主な治療法ですが、花粉を避ける対策も必要です。

頭が重い、だるい原因

頭が重い感じやだるさ、いわゆる頭重感は、多くの人が経験する不快な症状です。これらの症状は、集中力の低下や全身の倦怠感を引き起こし、日常生活に支障をきたすことがあります。頭重感やだるさの原因にはさまざまなものがあり、以下にその代表的なものを詳しく説明します。

首・肩の凝り

首や肩の筋肉がひどく緊張したり、強く凝ったりすることによって頭重感が引き起こされることがあります。この現象は、長時間の運転やデスクワークなど、同じ姿勢を続けることが主な原因です。また、精神的な緊張や過度のストレスも筋肉の緊張を引き起こす要因となります。
首や肩の筋肉が緊張すると、これが頭部の血流に影響を与え、酸素や栄養が十分に供給されなくなることがあります。結果として、頭が重く感じたり、痛みを伴うことがあります。特に、首の後ろや後頭部の筋肉がこわばると、頭全体に重さや圧迫感を感じることが多いです。

眼精疲労

眼精疲労は、目を酷使することによって起こる症状です。パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けると、目の筋肉が疲れ、眼精疲労が発生します。この状態になると、目の痛みやかすみ、目の渇きが現れ、さらに進行すると頭重感や肩こり、吐き気など全身に症状が広がります。
眼精疲労は、目の異常、目を使う環境、全身の異常という3つの要因が絡み合って発生します。目の異常には、メガネやコンタクトの度が合っていないことや、目の病気が含まれます。目を使う環境としては、長時間の画面使用や不適切な照明が挙げられます。全身の異常には、疲労やストレス、栄養不足が関与します。

自律神経の乱れ

自律神経は、私たちの意思に関係なく身体の機能を調整する神経系です。自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分かれ、交感神経は活動時に、副交感神経は休息時に働きます。この2つの神経がバランスを取りながら体の機能を調整しています。
自律神経のバランスが乱れると、身体や心にさまざまな症状が現れます。これを自律神経失調症と呼びます。自律神経失調症の原因としては、不規則な生活習慣、ストレス、更年期障害、先天的要因などがあります。症状は人によって異なりますが、全身的な倦怠感や不眠、頭重感、動悸、めまい、のぼせなどがあります。精神的な症状としては、情緒不安定、イライラ、不安感、うつなどが見られます。

睡眠不足

睡眠は心身の健康を支える重要な要素です。睡眠不足は、身体と心に多大な影響を与えます。日本人の約4割が6時間未満の睡眠しか取れておらず、5人に1人は睡眠の質に満足していないとされています。
睡眠不足は、体内のホルモンバランスや自律神経に影響を与え、全身の倦怠感や頭重感、循環器疾患、うつ、認知症、免疫力の低下などのリスクを増加させます。睡眠には、身体の疲労を回復させる、記憶を整理する、身体の修復・成長を促すといった重要な役割があります。これらの機能が十分に果たされないと、身体の修復や成長が妨げられ、疲労が蓄積し、自律神経の乱れを引き起こします。

頭痛と吐き気を伴うときは危険?

頭痛は非常に一般的な症状であり、日本人の約半数が慢性的な頭痛に苦しんでいます。ほとんどの人が一度は頭痛を経験したことがあるでしょう。頭痛にはさまざまなタイプがあり、それぞれ原因や症状が異なります。一般的な頭痛の場合、市販の鎮痛薬で対処することが多いですが、重篤な病気が原因となっている場合もあるため、専門医の診断を受けることが重要です。
特に「吐き気を伴う頭痛」は注意が必要です。このタイプの頭痛は片頭痛や脳腫瘍、脳出血などの重篤な疾患が原因である可能性があります。片頭痛は、頭の片側に強い痛みを感じ、吐き気や嘔吐を伴うことが多いです。一方、脳腫瘍や脳出血は、急に現れる強い頭痛とともに吐き気や視力の低下、意識障害を引き起こすことがあります。

吐き気を伴う頭痛

頭痛の種類について

頭痛の主なものには一次性頭痛と二次性頭痛の2種類があります。一次性頭痛は、脳に器質的疾患(脳腫瘍などの原因となる疾患)がなく、「頭痛そのものが病気」である疾患です。一方、二次性頭痛は「頭痛を引き起こす何らかの疾患」が原因で起こる頭痛です。

種類 頭痛の名称 主な原因 主な症状
一次性頭痛 片頭痛 遺伝的要因、環境要因、ストレス、生活習慣など 頭の片側の強い痛み、吐き気、光過敏、音過敏
緊張型頭痛 デスクワーク、ストレス、姿勢など 頭全体の締め付けられるような痛み
群発頭痛 不明(アルコール、タバコが引き金になる) 目の周りの激しい痛み、流涙、鼻汁
二次性頭痛 脳卒中 くも膜下出血、脳梗塞、脳出血など 急激な頭痛、麻痺、言語障害
脳腫瘍 脳腫瘍 持続的な頭痛、吐き気
髄膜炎 脳や脊髄の感染 激しい頭痛、発熱、首の硬直
慢性硬膜下血種 頭部外傷後の出血 頭痛、認知機能低下、麻痺など
緑内障 眼圧の上昇 頭痛、視力低下
副鼻腔炎 副鼻腔の炎症(細菌、ウイルス、アレルギー) 顔面痛、頭痛、鼻づまり

一次性頭痛は命に直接関わることは少ないですが、二次性頭痛は重大な疾患が原因であるため、緊急性を伴うものもあります。突然の頭痛、今までと違う頭痛、や異常を感じた場合は、専門医の診断を受けることが重要です。

吐き気を伴う頭痛の種類

頭痛が強くなると、吐き気を伴うことがあり、このような症状は注意が必要です。吐き気を伴う頭痛の主な原因としては、片頭痛などの一次性頭痛もありますが、脳卒中、髄膜炎、脳腫瘍などの二次性頭痛も挙げられます。

脳卒中

脳卒中は、脳の血管が破れるか詰まることで発生する病気で、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つに分類されます。脳卒中による頭痛はしばしば吐き気や嘔吐、時として意識障害を伴い、緊急の対応が必要です。

くも膜下出血は、突然の激しい頭痛が特徴で、過去に経験したことがないほどの強い痛みを伴います。脳出血や脳梗塞の場合、頭痛に加えて麻痺や言語障害、視覚異常などの神経症状が見られます。また、ふらつきやめまいも伴うことがあります。

これらの症状が現れた場合、速やかに医療機関を受診することが非常に重要です。特にくも膜下出血は早期治療が不可欠です。

髄膜炎

髄膜炎は、脳や脊髄を覆う髄膜が感染し炎症が起こる疾患で、原因は細菌やウイルス、結核菌、場合によってはがんや特定の薬剤などです。髄膜炎の症状には、激しい頭痛や嘔吐、発熱、首の硬直などが含まれます。特に、首を前に曲げると痛む「髄膜刺激症状」が特徴的です。子供に多く発症し、頭痛と嘔吐が見られる場合は迅速に医療機関を受診することが重要です。

片頭痛

片頭痛は、吐き気を伴う一次性頭痛の一つで、主に20~40代の女性に多く見られます。片頭痛は、こめかみから側頭部にかけて脈打つようなズキンズキンとした痛みを特徴とし、光や音、においに対して過敏になることがあります。片頭痛の発作前には、閃輝暗点と呼ばれる視野にギザギザした光が見える前兆が現れることがあります。
片頭痛の発作中は、血管が拡張して血行が増加すると症状が悪化するため、長時間の入浴やマッサージ、お酒の摂取は避けるべきです。症状が軽度の場合は市販の頭痛薬で対処できますが、重度の場合は専門的な治療が必要です。

吐き気を伴う頭痛は早めにご相談ください

吐き気を伴う頭痛は、片頭痛だけではなく脳卒中や髄膜炎などの二次性頭痛が原因である場合があります。頭痛は日常的に多くの人が経験する一般的な症状ですが、その中には重大な疾患が隠れていることもあるため、注意が必要です。命に関わるだけでなく、適切な治療を受けなければ重篤な後遺症を残す可能性があります。そのため、普段とは違う強い頭痛や吐き気が現れた場合は、すぐに医療機関を受診することが重要です。

当院では、頭痛外来を設け、MRIやCTなどの検査が必要な場合には近隣の津田沼中央総合病院などの施設と連携を取りつつ診断を行っております。

緊張型頭痛とは

緊張型頭痛は、一次性頭痛の中で最も頻度の高い頭痛ですが、正確な病態や発症機序はいまだ解明されていません。一方、頭や肩、首の筋肉が緊張したり(肉体的ストレス)、緊張などのストレス(精神的ストレス)によっても生じると言われており、頭が締め付けられるような痛みや頭重感が代表的な症状ですです。頭痛は両側性であることが多く、痛みの程度は軽度から中等度であることが多くみられます。吐き気や嘔吐は伴わないことが一般的です。緊張型頭痛と片頭痛の両方を抱えている方もみられますが、治療法は異なるため正確な診断と適切な治療が必要になります。

緊張型頭痛の原因

緊張型頭痛の原因は複雑で、いくつかのメカニズムが考えられています。一般的には、筋肉の緊張やストレスが主な要因とされています。
中枢性疼痛メカニズムは、筋肉からの痛み刺激が長期間にわたって脳に伝わることで、脳自体が痛みに過敏になる現象です。この状態が続くと、少しの刺激でも強い痛みを感じるようになります。中枢性疼痛メカニズムは、慢性緊張型頭痛に特に関連しており、治療には時間がかかります。

緊張型頭痛の種類

稀発反復性緊張型頭痛

稀発性緊張型頭痛は、月に1日未満(年間12日未満)の頻度で発生します。痛みが軽度であるため、運動やストレッチ、鎮痛薬の使用で対処することが期待できます。

頻発反復性緊張型頭痛

頻発性緊張型頭痛は、3ヶ月以上の期間にわたって月に1~14日(年間12日以上で180日未満)の頻度で発生します。このタイプの頭痛は、頻繁に発生し、日常生活に影響を与えることがあります。鎮痛薬の使用頻度が高くなる傾向があり、中枢性感作が進行するリスクがあります。

慢性緊張型頭痛

慢性緊張型頭痛は、月に15日以上(年間180日以上)の頻度で発生します。痛みは中等度であることが多いですが、頻度が高いため日常生活に大きな影響を与えます。鎮痛薬だけでは不十分であり、長期的な治療が必要です。精神的なストレスやうつ病を併発することもあります。

緊張型頭痛の診断・検査

緊張型頭痛の診断は、国際頭痛分類第3版(ICHD-3)に基づいて行われます。医師は問診を通じて患者様の症状を確認し、MRI検査や血液検査を行って二次性頭痛の可能性を排除します。これにより、緊張型頭痛の原因が全身性の病気ではないことを確認します。

緊張型頭痛の治療

緊張型頭痛の治療は、急性期治療、予防療法、非薬物療法の3つのアプローチに分かれます。

急性期治療

急性期治療では、痛みがあるときに鎮痛薬を使用します。アセトアミノフェンや非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が一般的に使用されます。これにより、筋肉の緊張を和らげ、炎症を抑えることができます。

予防療法

予防療法は、中枢性感作を抑えるために行われます。三環系抗うつ薬であるアミトリプチリンがよく使用され、高い効果が認められています。これにより、脳の神経が痛みに対して過敏にならないようにします。治療は長期にわたり、定期的に効果を評価しながら続けられます。内服に加えて運動療法を併用すると効果が増すことが期待されます。

非薬物療法

非薬物療法には、精神療法や行動療法、運動療法などがあります。筋電図バイオフィードバック療法、認知行動療法、リラクゼーション法などが用いられ、肩こり体操や頭痛体操も効果的です。鍼灸治療も一部で有効とされています。運動療法は手軽に実施できるため、薬物療法と併用することが推奨されます。